線形、角度、平面の誤差。
理想的な直線運動システムは、完全に平坦で直線的な動きを示し、常に誤差ゼロで目的の位置に到達します。しかし、最高精度のリニアガイドや駆動装置(ネジ、ラック&ピニオン、ベルト、リニアモーター)であっても、加工公差、取り扱い、取り付け、さらには適用方法によって、多少の誤差が生じます。
直線運動システムには、直線誤差、角度誤差、平面誤差の3種類の誤差があり、それぞれがシステムとアプリケーションに異なる影響を与えます。不要な高精度部品に費用をかけたり、アプリケーション要件を満たさないシステムを構築したりしないよう、これら3種類の直線運動誤差の違いとその原因を理解することが重要です。
【線形誤差】
線形誤差には、位置決め精度と再現性が含まれます。これらの誤差は、システムが目的の位置に到達する能力を示すため、位置決め誤差と呼ばれることもあります。線形システムの文脈では、「精度」という用語は通常、位置決め精度、つまり目標位置とシステムが到達した位置との偏差を指します。再現性は、システムが複数回の試行で同じ位置に戻る精度を指します。線形誤差の主な要因は駆動機構(ネジ、ラック&ピニオン、リニアモーターなど)ですが、システムの調整も、目標位置に正確かつ再現性を持って到達する能力に影響を与える可能性があります。
【角度誤差】
角度誤差とは、対象点が軸を中心に回転する際に生じる誤差です。これらは通常、ロール誤差、ピッチ誤差、ヨー誤差と呼ばれ、それぞれX軸、Y軸、Z軸を中心とした回転を表します。対象点がテーブルまたはスライドの中心にある場合、角度誤差はアプリケーションに大きな影響を与えない可能性があります。しかし、対象点がテーブルまたはスライドからある程度離れている場合、距離に応じて増幅される角度誤差であるアッベ誤差が発生し、特に機械加工、測定、および組み立てのアプリケーションで望ましくない結果が生じる可能性があります。角度誤差、ひいてはアッベ誤差の主な原因は、リニアガイドの不正確さと、取り付け面の機械加工不良です。
【平面誤差】
平面誤差(「真直度」や「平坦度」とも呼ばれる)は、システムの移動中に発生しますが、軸周りの回転ではなく、理想的な直線基準面からの偏差です。真直度は、システムがX軸に沿って移動する際、Y軸に沿った移動量を定義します。同様に、平坦度は、システムがX軸に沿って移動する際、Z軸に沿った移動量を定義します。
ここで、参照ポイントは移動軸 (通常は X 軸) であるため、残りの 2 つの軸に沿った動きを伴う平面エラーの種類は 2 つだけであることに注意してください。
平面誤差は、ディスペンシング、機械加工、測定など、動作中のシステム挙動が重要なアプリケーションにおいて有害です。多軸システムでは、特にXYテーブル、平面テーブル、一部の直交座標系のように軸が「積み重ねられている」場合、ある軸の平面誤差が隣接する軸(または複数の軸)に影響を及ぼします。
投稿日時: 2019年11月4日