生産ラインから高い精度と再現性を得る
最近まで、生産ラインから高い精度と再現性を得ることは困難でした。しかし現在、自動化のための新しいシステムにより、高品質製品の手作業による取り扱いや組み立てに伴う障壁が解消されています。ここでは、そのような選択肢の一つである、リニアツールトレイトランスファーシステムについて見ていきます。
リニアツールトレイ搬送システムは、産業界で広く普及しているロータリーインデックステーブルの代替として、しばしば現実的な選択肢となります。リニアツールトレイ搬送システムは7軸設計とほぼ同様の機能を果たすため、多くのメリットがあります。7軸設計のようにロボットをライン上で上下に移動させるのではなく、リニアツールトレイ搬送システムは部品や治具を固定ロボットの横を通過させる点が異なります。さらに、7軸設計と同様に、リニアツールトレイ搬送システムはロボットのモーターや制御装置と統合することで、ロボットとの効率的な通信(およびタスクの調整)が可能になります。
プラント設計エンジニアや機械メーカーにとって、ツールトレイ搬送システムは、ギアラック装置へのダイレクトドライブ式減速機の搭載による高精度・高性能化と部品点数の削減といったメリットをもたらします。さらに、堅牢な鋼管構造により、メンテナンスやアクセス性も最小限に抑えられます。
すべてのリニアツールトレイ搬送システムが、複雑な精密部品の取り扱いや組み立てに必要な精度と精密さを備えて製造されているわけではないことに注意してください。こうした要求に応えるリニア搬送システムは、精密ガイドレールとラックアンドピニオンシステムに加え、閉ループモーター制御、高速インデックス速度、そして自動化の課題と品質基準に対応できる柔軟性を組み込むことで、精度を確保しています。搬送ユニットは機械加工された溶接鋼構造でもあり、搬送キャリッジにはお客様のツールトレイと治具を取り付けることができます。(搬送時間を短縮するために、現地で機械加工されたパッドにツールトレイを取り付けます。)最後に、この設計は低バックラッシュギア減速機とACモーター(アブソリュートエンコーダと組み合わせ)またはサーボモーターのいずれかを組み合わせることで、極めて高い精度を維持しています。
ツールトレイ搬送システムのエンドユーザーを支援する機能も豊富に搭載されています。主な特徴の一つは、高精度のリニアレール(ガイドウェイ)とブロックの採用です。また、ケーブルマネジメントトレイ(内蔵)、搬送両端のオーバートラベルに対応するハードストップ、そして摩擦を低減し外部潤滑を不要にする表面コーティングも備えています。設計によっては、軸の総荷重容量は100,000ポンド(約45,450kg)を超えます。
工場向けにリニアツールトレイ搬送システムを購入する前に、エンジニアは、対象となる装置の設計、構築、設置の経験を持つサプライヤーと提携する必要があります。また、工場エンジニアは、現在の組立ラインの運用状況、搬送する部品のサイズ、形状、重量、組立時間、そしてシステムを設置するための工場床面積(可能な場合)など、詳細な仕様情報を提供できるよう準備しておく必要があります。
投稿日時: 2020年2月24日